【結論:危険】お年寄りでもトイプードルは飼える?

草の上に立つトイプードルブラック

体力や足腰に不安はあるけど犬を飼いたい・・・
トイプードルって小さくて飼い易いらしいし、高齢者でも飼えるかな?

ー結論から言いますと、止めておいた方がお互いの為です。
今回はお年寄りがトイプードルを飼う危険性を近所の方の実話も交えてお話します。

もくじ

高齢者がトイプードルの飼育を止めておくべき理由

寿命の問題

いきなりヘビーな話になって申し訳ないですが、ご高齢の方が犬と暮らす上でもっとも大きなリスクになるのが
寿命」の問題です。
もちろん、若いからと言ってあぐらをかいているわけではないですし、いつどんな形で人生を終えるのかは
誰にもわかりません。
それでも年齢を重ねるごとに病気が発生するリスクが高まることは事実。
万が一のとき愛犬がひとりぼっちになる可能性もあります。

同居の家族がいれば引き続き面倒を看てくれますが、そうでない場合は新しい家族を探さなければいけません。
愛犬にとっても一緒に暮らしていた飼い主と離れるのは寂しいですし、
もし犬が一人残されてもちゃんと保護されて新しい家族が見つかるとは限りません。

犬を飼うのに決まったルールはありませんが、原則犬を飼ったら生涯面倒を看ることが鉄則です。
ですから、「自分の方が先に死んでも、愛犬は新しい家族のとこで幸せになってくれたらそれで良い」
という考え方はちょっと無責任ですよね。
犬と自分、どちらが先にあの世へ行くことになるだろうか・・・という際どいラインの方は
止めておいた方が良いと思います。

体力の問題 -散歩・運動

トイプードルは小さくて可愛らしい見た目かもしれませんが、運動量は多い犬種です。
見た目や飼い易いといった言葉を安直に信じるのは止めましょう

犬種は違いますが、以前ネットでジャックラッセルテリアがどんな犬かよく調べずに飼って、
運動量の多さに驚かされた、と話しているご夫婦の話を読みました。
「えー・・・」って感じですが、まぁ楽しく暮らしているらしいので良かったです。

ですが、ご高齢の方が同じようなノリでトイプードルを飼うと、結果オーライにはならない可能性が高い
と思います。
特に子犬のうちは動きも激しいですし、いたずらで部屋を荒らすこともあります。
散歩時間も1回に最低30分は必要だと感じます。
それを一日に2回以上はこなさなくてはなりません。
ご自信の体力や足腰に自信がないと、犬を満足させてあげられるような運動が出来ません。
そうすると犬のストレスも増えることになり、お互いしんどくなってしまいます。
散歩は犬にとって大きな楽しみの一つであり、これが満足のいくように出来ないとなると、飼育は難しいでしょう。

安全面の問題 ー転倒・脱走等 

ぬいぐるみのようなトイプードルとはいえど、走ればやっぱり犬。
かなりすばしっこく、部屋の中でも簡単に捕まることはしません。
力の強さはそこまで強くないのでコントロールしやすいと思いますが、足腰が弱っている方なら危ないかもしれません。

お散歩をしていると走ることもありますし、気が付いたら引っ張られている・・・ということも有り得ます。
その際に犬のペースに追いつこうと走ると、転倒してしまう可能性があります。
また、トイプードルは体の大きさに関して個体差がかなり大きい犬種でもあります。

私は近所の河川敷にいつも散歩へ行くのですが、よくいる人の中にトイプードルをノーリードで散歩させているおばあさんがいます。
どこへも行かない、という自信があるのかもしれませんが、万が一愛犬がどこか違うところへフラフラいってしまったり、他の人や犬へ危害を加えそうになったら、走って対応出来るのか?と思ってしまいます。
(そのトイプーちゃんがこれまた結構攻撃的な子なんです。。。)

若い飼い主でもいざ愛犬のトイプードルがどこか一人で走っていったら追いつくことは不可能だと思いますが、それがダッシュできないご高齢の方となると、そのリスクの範囲が広がることになります。

自分も他人もそしてわんこも守るため、無理はしないでおきましょう。

シニア犬もリスクはある

犬の介護問題

子犬は運動量が多いし、お世話が大変そう・・・
それならシニアのトイプードルならいけるんじゃない?
と思われる方もいらっしゃるかもしれません。

実際に、50代・60代くらいの方がシニアわんこを引き取って楽しく暮らしているという話をテレビで見たことがあります。
ですが、安直な決断は止めておきましょう。

わんこもシニアになれば病気をするリスクが高まります
トイプードルは比較的長生きをする犬種ですが、年を重ねればいつ病気をしてもおかしくはありません。

犬の介護も楽ではありませんし、一晩中付き添って様子をみることも有り得ます。
また、排泄の処理など心身ともに元気でないと、なかなかしんどいことも多いと思います。
小さなトイプードルの介護と言えど、タフさは求められると思うので、体力に自信が無い場合はお互いが不幸になってしまいます。

実話!近所の老夫婦が犬を飼えなくなった

ここまではご高齢の方がトイプードルを飼うことの一般的なリスクを紹介してきました。
次に、私の近所に住んでいた老夫婦とその愛犬のエピソードをご紹介します。
犬は暇つぶし程度で飼える生き物ではありません。
ご自身の体にしっかり向き合い、周囲の方とも相談して、犬も自分も不幸にならないようにしましょう。

夫婦が介護施設へ入所

そのご夫婦が飼われていたのはマルチーズです。
若くて元気いっぱい、体つきは結構ガッシリしていて力も強かったです。

毎日よく見かけていたのですが、ある日を境にパッタリ姿を見なくなりました。
他の近所の方に聞いてみたところ、奥様が脳梗塞で倒れ、重い後遺症が残ったとのこと。
旦那様も元々もう高齢で身の回りのことをこなすには助けが必要だったそうです。
現在お二人は介護施設で暮らしているようでした。

じゃぁあのわんこは・・・?
というと、どうやら別の飼い主さんの下で暮らしているようでした。
お互いに、最後まで一緒に入れないのは残念なことだと思います。
ご夫婦が何歳かは分かりませんが、75歳は過ぎていたように感じますね。

奥様が転倒して怪我

以前、奥様が散歩中に犬に引っ張られ転倒して骨折したことがありました。
奥様もご高齢で走ったりは難しく、力の強いマルチーズに負けてしまったのでしょう。
回復にも時間がかかったようで、その間は旦那様がなんとか散歩へ行っていました。

足腰に不安がある状態で犬を飼うと、ご自身が怪我をする可能性もあります。
ご高齢だと回復にし時間もかかると思いますし、その間のお世話もまた大変になります。

犬の体力に追いつけない

さて、そのご夫婦ですが施設に入る前はなんと散歩を1日に10回以上もしていました。
普通ではなかなかここまでする人はいませんよね。
では、なぜこんなにも多く散歩へ行っていたのか。

それは、1回あたりの散歩量が極端に少なかったからです。
奥様が、愛犬が外に出せとせがんでくるから…
とよく言われていました。
元気だなぁと思っていましたが、よく見るといつも1回10分ほどゆーーっくり歩いて終わり。
近所をぐるっとするだけの散歩です。

これでは若くて元気いっぱいのマルチーズを満足させることは出来ないだろうと思います。
奥様はご高齢なので、当然走ることも無理です。
ただゆっくり歩くことしか出来ません。

なんだか、わんこがとても可哀想でした。
奥様も外に連れて行ってはいますが、散歩として機能しているとは言えない状態です。
犬にとっては思いっきり体を動かしたいだろうに…。

今は新しい家族のもとでたくさんお散歩出来ていると良いなと思います。

まずは周囲へ相談しよう

一番は家族へ相談

ここまでご高齢の方がトイプードルを飼うリスクについて触れてきました。
トイプードルに限らず、自分の体と相談せずに犬を飼うことは良くありません。

飼えるかどうか自分で判断出来ない・・・
誰かに相談したい・・・

そう思ったらまずは家族に相談してみましょう。
自分のことは誰しもついつい甘くみてしまいがち。
体力の衰えも自分ではなかなか認められない部分もありますよね。
でも、家族なら一番側で見ているはずですし、客観性のある意見をもらうことが出来ます。

もしかすると、犬のお世話に関して協力してもらえるかもしれません。
犬のお世話全般に言えることですが、犬を飼うにあたって協力者は絶対にいた方が良いです。
体力に少し自信の無い方であれば、余計に協力者の重要性は高まるでしょう。

まずは飼えそうかどうか、そして飼うとしたらお世話の協力を得られそうかどうか、家族に相談することから始めてみませんか??

地域の獣医師にも相談出来るよ

獣医師に今の年齢・体力で犬を飼うことが可能かどうかを相談することも出来ます。

実際、私のかかりつけの動物にもご高齢の方でわんこや猫ちゃんと暮らしたい方は、獣医に相談してみましょう、みたいなポスターが貼ってあります。

職業柄無責任なことは言わないと思いますので、不安に感じることを全て相談しましょう。
獣医師ならではの知見が得られるかもしれません。

ブリーダー・保護団体への相談

特に飼いたい犬種がある場合、ブリーダーに問い合わせて聞いてみるのも一つの手です。
「売れれば誰でも良い」という悪質ブリーダーもいますが、きちんと子犬の幸せを願っているブリーダーなら、自分が不安を覚えるような人に子犬の引渡しはしないはずです。
ブリーダーの中には、子犬を引き渡す前に飼育環境をチェックする方もいらっしゃいます。

自分が飼い主としてふさわしいか、飼える環境にあるかどうかブリーダーにチェックしてもらうことで、状況がはっきりすると思います。

また、様々な犬種・年齢のわんこの話は保護団体の方から聞けるかもしれません。
ブリーダーと同じように、引き渡す犬が幸せになれる人のもとへ行って欲しいと願っているでしょうし、真剣に犬の飼育を考えているなら、どんな犬が自分と合いそうなのかも教えてくれるでしょう。
ただし、保護犬の譲渡条件は案外厳しいケースが多いので、まずは相談してみて方向性を決めていくのが良いと思います。

さいごに -ムリは止めよう

高齢者だけど犬を飼いたい!という方は多いと思います。
しかし実際は多くのリスクが存在し、犬も自分も大変な思いをするかもしれません。
トイプードルは見た目に反してかなりアクティブな犬です。
構ってちゃんな性格でもありますし、いつも自分に注目して欲しいのです。
そうなると、心身ともに健康でなければお世話が出来ません

自分が愛犬のペースについていけないということは、他人への危害を及ぼす可能性も高まってしまうということです。
まずは自分が犬をコントロール出来る体力等があるかどうか、第3者からしっかり見てもらう必要があります。

犬も自分も悲しい思いをしないためにも、ムリだけは止めておきましょう。

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